変わった生態を持つ深海生物5選

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5、ユメナマコ

深さ300メートル以上の深海に生息するユメナマコはナマコの一種で、体長は約25センチです。

 

日本でよく見かけるナマコと違い半透明で、小さいときはピンク色、成長するとワインレッドに体の色が変わります。

 

ユメナマコは普段は水中に浮かんでいるのですが、エサを取るときだけ海底に降り、海底の泥を消化器官の中に掻き込みます。

 

そして、泥の中にいる微生物をエサとして消化します。

 

海底にいると敵に襲われ危険なため、泥ごとエサを取って海底での滞在時間を極力短くしているのです。

 

 

また、ユメナマコの皮膚には無数の発光器があり、敵に襲われると光を発します。

 

しかも、発光器のついた外皮は簡単に剥がれるようになっています。

 

敵が体に触れると発光する外皮で撹乱し、そのあいだに逃げるのがユメナマコの防御法なのです。

 

4、ベニクラゲ

ベニクラゲは世界中の温帯から熱帯の地域に生息するクラゲの一種です。

 

体が透明で赤っぽい消化器官が透けて見えることからこの名前がつけられました。

 

ベニクラゲは不老不死のクラゲとして知られています。というのもベニクラゲは成長したあと、老化して死ぬのではなく、再び成長体の前の状態に戻るからです。

 

 

この成長前の状態をポリプと呼びますが、ベニクラゲはポリプから成長体になり、再びポリプに戻るということを繰り返すのです。

 

この若返りは実験室でも確認されています。

 

京都大学の久保田信准教授は10回若返りを繰り返したベニクラゲの事例を報告しています。

 

ベニクラゲの若返りシステムは人間の不老不死にも応用できる可能性が高く、その解明が期待されています。

 

3、アオミノウミウシ

 

ウミウシは海に住む軟体動物の総称です。簡単に言えば、貝殻を失った貝のことで、ナメクジに似た生物です。

 

このウミウシの一種にアオミノウミウシというものがいます。

 

日本でも小笠原諸島や南西諸島の海で見かけることのあるウミウシです。

 

アオミノウミウシは青い色をしていて、ヒレを持っています。

 

 

胴体後部もトカゲのように長く伸びていて、およそウミウシのイメージとは違う姿をしています。

 

英語名で「ウミツバメ」とか「青い天使」と呼ばれるのももっともと思える美しさです。

 

その見た目からは考えられませんが、実はとても危険な生物です。

 

電気クラゲや猛毒を持つクラゲを捕食するだけでなく、エサとなったクラゲの毒を体に取り込み、その毒で攻撃をします。

 

美しいからといって触れれば、痛い目にあうでしょう。

 

2、ウロコフネタマガイ

インド洋のモーリシャス付近には、水深およそ2400メートルの海底から数百℃の熱水が噴出している地域があります。

 

そこは、また珍しい生物がいることで研究者の関心を集めている場所でもあります。

 

この地域でしか見つかっていない生物の一つがウロコフネタマガイという名前の貝です。

 

ウロコフネタマガイの最大の特徴は貝殻にウロコがあり、そのウロコの成分が硫化鉄だということです。

 

鉄でできた部分を体に持つ生物はほかにいません。

 

ウロコフネタマガイが鉄のウロコを持つ理由は、海底から噴出する熱水に 鉄を初め多くの金属が含まれているからのようです。

 

ウロコフネタマガイは熱水に混ざる鉄を貝殻に取り込んで敵から身を守る鎧としたものと考えられます。

 

 

1、ヒゲナガホテイ

2014年に体長30センチほどの真っ黒な魚が釣り上げられました。

 

顎の下から長いヒゲを垂らし、頬にはピンク色の差し色を入れた不気味な姿。

 

口の中には牙が生えていて、さながら映画『エイリアン』のチェストバスターのようでした。

 

この魚は英語でブラック・ドラゴン・フィッシュと呼ばれることもある深海魚ヒゲナガホテイという魚でした。

 

ヒゲナガホテイは最大で水深1500メートルの深海に棲む深海魚で、

 

長いヒゲの先、頬にあるピンク色の部分に発光器が付いています。

 

黒光りする体とグロテスクな頭を持っているため、ネット上では「この世のものとは信じたくない」などと気持ち悪がられていました。

 

 

 

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