・上海の赤ちゃん
この中国人の赤ちゃんが泣いている写真は１９３７年の８月下旬、南上海駅で撮影された。
日本軍と当時の中華民国軍が衝突した第二次上海事変の後のことであった。
この写真はアメリカの雑誌、ライフに掲載され世界各国の多くの人が目にした。
これにより、世界的に中国への同情が集まり、日本の爆撃が世界から非難されることとなる。
確かに、かなり悲惨な瞬間を捉えた写真だが、演出されたものであるという主張もあることも事実である。
・ベルリンの壁
１９６１年８月１３日、ドイツはベルリンに有刺鉄線のフェンスを作りベルリンを二分した。
写真の兵士は東ドイツの護衛で、侵入者が入らないように厳重に警備をしていた。
この小さな男の子は壁によって両親と生き別れになっていたため、兵士がリスクを冒して男の子を侵入させた。
この写真では人と人との助け合いが見られるが、多くの子供たちは壁を越えられずに引き裂かれた。
・モンゴル人の女性
この写真は１９１３年モンゴルを訪れた写真家によって撮影された。
この鍵の付いたボックスの中では、座ったり横になることもできない。
この女性は、ただこのままの状態で閉じ込められ飢え死にさせられるという刑を受けているのである。
・長崎の兄
ジョー・オダネルは、長崎に原子爆弾が投下された１か月後に調査団のカメラマンとして長崎を訪れていた。
その時に撮影されたのがこの写真だ。
直立したこの少年は、背負っている遺体となってしまった弟を火葬する為に焼き場の順番待ちをしている。
その後、彼の弟の番が来た時、この少年は唇をきつく噛み締め見守り、終わるとくるりときびすを返し、その場を去ったそうだ。
軍からは許可なく人物は撮影するなと言われていたのだが、あまりに悲惨な状況にシャッターを切らずにはいられなかったという。
・合同墓地
ベルゲン・ベルゼン強制収容所が１９４５年４月に開放される前、ナチス軍は５万人もの人々をここで殺害した。
かの有名なアンネ・フランクもそのうちの一人で、彼女はイギリス軍が到着するたった一カ月前に殺害された。
この写真の「合同墓地」は、アンネが死亡したあとすぐに撮影されたものだ。
大量の死体の中に立っている男性はナチス軍のフィリッツ・クライン医師で、１９４５年１２月に首吊り処刑されている。
この写真は世界で最も悲惨な状況を捉えた写真だと言っても過言ではないだろう。
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