5、至誠にして動かざるものは、未だこれあらざるなり
この言葉は元々、孟子の言葉ですが、吉田松陰、最後の言葉としても有名です。
この言葉の意味は「誠の心を以て行動すれば、人の心は必ず動かされる」です。
吉田松陰は、老中暗殺計画を立てたとされる罪により打ち首にされましたが、
処刑の時この言葉を言い残しました。
松陰の誠実な思いは幕末の志士たちを動かし、開国、新政府設立につながっています。
4、親思う心に勝る親心 今日のおとづれなんと聞くらん
安政の大獄で死刑を覚悟した吉田松陰はこの句を家族に向けて詠みました。
「子が親を思う以上に、親が子を思う気持ちは強いものだ。今日のこの知らせを聞いた親はどのように思うだろうか」
親より先に逝く息子のことを父と母はそう思うだろうかと、両親に申し訳ない心の内を詠んだものです。
処刑される前に親を思う気持ちを詠み上げたこの句からは、松陰の親への感謝やいたわりが溢れています。
3、かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれぬ大和魂
「こうすれば、こうなるとわかっていながらやらずにいられず行動した。それが日本人の魂だからだ。」という意味です。
吉田松陰は、黒船をみて西洋の進んだ技術に驚きます。さらに、今の日本のままではダメだと悟り密航を企てました。
しかし、あえなく失敗に終わり、捕らえられてしまいます。その時牢内で詠んだのがこの句です。
外国船に乗り込むことは重罪と承知していましたが、日本の未来を憂い、
どうしてもやらずにいられなかったという吉田松陰の気持そのものが読み上げられています。
松陰が処刑されるきっかになったのも、彼が自ら老中暗殺計画を暴露したことがきっかけです。
この時も、どうなるかわかっていながらも正しいと信じたことを行ったのだということが、この言葉からもわかりますね。
2、夢なきものに理想なし、理想なきものに計画なし、計画なきものに実行なし、実行なきものに成功なし。故に、夢なきものに成功なし
「夢を持ち計画を立てることにより夢への道筋が見える。
あとは実行することができれば夢を叶え成功することができるのだ。
だから最初から夢のないものには成功は訪れない」という意味です。
まさに吉田松陰の生き方そのものだと思える言葉です。
夢という最初の目標がなければ、達成したい目標へ到達することはできません。
全ては夢を持つことから始まります。夢を持ってさえいれば、いつか叶えることはできるのです。
1、人を信ずることはもちろん遥かに人を疑うことに勝っている
この言葉には続きがあります。「わたくしは人を信じすぎる欠点があったとしても、絶対に人を疑いすぎる欠点はないようにしたいと思う」
さまざまな思想から離れた、ごく普通の心情ではありますが、なかなか実行するのは難しいことです。
人を疑えばきりがありません。その疑いの目は相手に悟られ、人間関係もうまくいかなくなります。
しかし、とことん人を信じれば、相手もそれにこたえて信じてくれるようになります。
吉田松陰の目指した生き方の一面が窺い知れる言葉であり、彼の人柄の良さを感じさせられる言葉でもあるといえるでしょう。
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