たくさんの言語を操り、音楽や科学にも精通し、年をとらない不老不死で錬金術を会得した男。
そんな奴いるわけないと思うかもしれませんが、18世紀の後半、ヨーロッパの社交界に実在したのです。
その男の名前は「サンジェルマン伯爵」今回はその歴史上最も謎の多い男サンジェルマン伯爵についての驚きのエピソード5選をお届けします。
5、人物像
18世紀の後半、サンジェルマン伯爵を名乗る人物がヨーロッパの社交界で活躍していました。
同時代の貴族のメモや日記に彼が存在したという記録が残っていますが、はっきりした出自は判明していません。
1691年に生まれたという説もあれば、1710年だという説もあるほどです。
また生まれた環境もトランシルバニア候の私生児だと考える人もあれば、ポルトガルのユダヤ人の子供と信じる人もいます。
社交界に現れたときは既に67歳で、それまでの彼の半生を知っている人はいませんでした。
このように彼の前半生はまったく謎に包まれています。
本当の名前すら分かっていません。
4、超人的能力
出自はわかりませんが、その圧倒的な才能は確かなもので社交界の人々を驚かせました。
伯爵と面識のあったウォルポールによれば、スペイン語とポルトガル語がサンジェルマン伯爵の母語で、
伯爵はそれ以外にもギリシャ語・ラテン語・サンスクリット語・アラビア語・中国語・フランス語・ドイツ語・英語・イタリア語が話せたといいます。
また彼は歌がうまく、ヴァイオリンの名手で、作曲家としても歌曲を中心に多くの作品を残しています。
しかし、ロンドンの社交界で音楽家としての才能を認められたあと、サンジェルマン伯爵はイギリスを離れ、化学と錬金術の研究に没頭し、不老不死に関する著作を残したそうです。
3、超お金持ち
サンジェルマン伯爵は常にたくさんの宝石を散りばめた豪華な衣装を身に着けていました。
また、多くの高価な宝石を所有するという裕福な生活を送っていました。
この資金の源については、彼がベニスに持っていた織物工場と言われていますが、その他にも資金源がないと、これだけの宝石を集めることは困難でしょう。
一説には、彼は錬金術で金を生み出していたなんて言われています。
2、不老不死
サンジェルマン伯爵は年を取らず、いつ見ても同じ姿だったという証言がたくさん残っています。
サンジェルマン伯爵本人によれば、そのころの彼は2000歳で数々の歴史的事件に立ち会い、何人もの歴史的人物と知り合いだったそうです。
この噂を確かめようと、フランスの風刺家、ニコラ・シャンフォールがサンジェルマン伯爵の使用人に、「あなたの主人はほんとうに2000歳なのですか?」と尋ねたそうです。
するとこの使用人は「それは分かりません。わたしは300年しかお仕えしていないものですから」と答えたといいます。
古代のできごとをまるで自分の目で見たかのように語るサンジェルマン伯爵の話を聞いた人々は彼が不死の人間であることを疑いませんでした。
理性の価値を何よりも信じていた啓蒙主義者ヴォルテールでさえ、サンジェルマン伯爵は死ぬことのない人物であると思うほどだったのです。
1、賢者の石
不老不死と言われたサンジェルマン伯爵は何を食べていたのでしょうか。
彼が口にするのはいつも丸薬のようなものとパンと麦だけだったそうです。
その丸薬こそが彼の長寿の秘訣で、「賢者の石」を加工したものだったのではないかと考えられています。
賢者の石とは、人間が不老不死になる霊薬のことです。錬金術を究めたサンジェルマン伯爵は賢者の石の製造に成功していたのかもしれないのです。
少なくとも当時の人々にとっては、サンジェルマン伯爵が不老不死なのは賢者の石を手にしていたからだと信じるだけのエピソードが山のようにありました。
普通の人間ならありえないのですが、19世紀になってからも彼の目撃情報は絶えず、本当に不老不死なのか、はたまたタイムトラベラーなのかという噂も囁かれていますが、未だに正体は不明です。
これらの不思議なエピソードから「ヨーロッパ史上最大の謎の人物」と言われています。
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