5、ヒョウアザラシ
南極大陸周辺の水辺に住むヒョウアザラシは大型の動物です。
体長は3メートルを越え、体重はオスで300キロ、オスよりも大きいメスは500キロにもなります。
少し遠くから見ると可愛らしい顔をしたヒョウアザラシですが、その顎は頑丈で、口の中には鋭い牙が見えます。
ヒョウアザラシが好んで食べるのは、オキアミ・魚・イカ・ペンギンなどです。
ペンギンの中で最も大きいコウテイペンギンも食べてしまいます。
身の回りの動物で食べないものはないといっても間違いないのがヒョウアザラシです。
大西洋の海中で海洋調査設備の保全をしていた女性海洋生物学者がヒョウアザラシに捕まり、深海に引っ張られて亡くなったのは2003年のことでした。
ヒョウアザラシがなぜそのような行動をとったのかについては分かっていませんが、人間を味見するつもりだったのかもしれません。
4、パンダ
愛らしい風貌で世界中の人々に愛されるパンダですが、その性格は凶暴なところがあり、やはりクマだと思い知らされることがあります。
中国福建省の動物園で、パンダにエサをやろうとしたアルバイトの飼育員がパンダに両足をつかまれたのち、爪で引っ掻かれて怪我をするという事件がありました。
パンダは自分のテリトリーに敏感で、知らない人や他の動物がその中に入ってきて、テリトリーが荒らされたと感じると、侵入者を襲うことがあります。
パンダは実は足が速く、木登りや水泳の能力も人間以上です。
パンダに襲われたら人間は逃げ切ることができません。安易にパンダに近づくことはたいへん危険なことなのです。
3、オオアリクイ
オオアリクイの体長は1メートル前後ですから小さな動物ではありません。
かと言って、草原やサバンナで主にアリやシロアリを食べているオオアリクイには牙もなく、それほど凶暴な動物には見えないかもしれません。
ところが2014年にブラジルで、ハンターがオオアリクイに襲われて亡くなるという事件が立て続けに起こりました。
オオアリクイは大きな爪で人を切りつけたのです。
一般にオオアリクイは敵に襲われそうになると、立ち上がってこの爪を見せて威嚇します。
それでも敵が逃げない場合、この爪を振りかざすのです。
オオアリクイは視力が弱いこともあり、ブラジルのケースでは、自分の置かれた状況が把握できず、自分が襲われたと思ってハンターに襲いかかったのではないかと考えられています。
2、ハクチョウ
美しい毛の色と優雅な佇まいで、ハクチョウは気品のある鳥だと思っている人は多いでしょう。
また、ハクチョウは生涯同じパートナーとカップルでいるため、「真の愛」の象徴ともされています。
しかし、ひな鳥を育てている最中のハクチョウはときにとても攻撃的になることがあります。
実際にイギリスでは、人間の子供がハクチョウに殺されたことがありました。
子供はひな鳥に近づきすぎたのでしょう。危険を察知した親鳥は、羽で子供を殴ると、ボートから引きずり出して子供を湖の中に落としたのです。
子供が岸まで泳ごうとすると、ハクチョウは通り道を塞いで邪魔をしたため子供は溺れてしまいました。
北海道でもバードウォッチャーがハクチョウの攻撃を受けて骨折するというケースが報告されています。
1、スローロリス
東南アジアの森に生息するスローロリスは大きな目が印象的なサルです。
体はネコよりも小さく、ペットとして飼いたくなる人も少なくない一見可愛らしい動物です。
スローロリスはインドネシア語でマルマルと呼ばれますが、その意味は「恥ずかしがり屋」です。
両腕を上げて顔を隠すような姿勢をとることからそのように名付けられました。
しかしこのスローロリスはとても危険な動物です。
肘から分泌する毒を唾液と絡め、自分の体に塗りつけることで、敵から身を守るからです。
いざとなったら毒の混ざった唾液とともに敵を噛みます。
毒の成分はいまだ解明されていませんが、ヘビの毒と同じようなものとする説もあるほどです。
実は両腕を上げて「恥ずかしがり屋」のポーズをとるのも肘から毒を取り出すためです。
スローロリスは可愛い仕草で相手を油断させる、なかなかの役者でもあったのです。
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